2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学における安全管理技術教育プログラムの開発
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19592450
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
定廣 和香子 Sapporo City University, 看護学部, 教授 (60299899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (00229098)
松田 安弘 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (10290545)
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Keywords | 安全管理行動 / 教育プログラム / 治療を支援する技術 |
Research Abstract |
平成21年度は、主として次の活動を実施した。 1. 安全管理行動に関する質問紙調査の分析 診療の補助業務を実施する際にクライエント・家族・医療従事者の危険を予測し、回避しようとする看護師の行動に関して、全国の病院に勤務する看護師842名を対象として平成20年度に実施した自由記述式質問紙調査の記述を分析した。具体的には、自由回答式質問への回答を先行研究の成果『看護師の患者の安全保証に向けた対策と実践』38カテゴリを用いて質的演繹的に分析した。また、38カテゴリに該当しない記述は、質的帰納的に分析した。その結果、有効回答443名の85.9%の記述は、先行研究のカテゴリ36種類に分類できた。また、残る14.1%の記述は新たな8カテゴリを形成した。考察の結果、看護師が診療の補助という医師と患者を中心とした過程で独自の機能を発揮し、患者、医師、看護師自らの安全を保証していることが明らかとなった。 2. 研究成果を統合し、治療を受ける患者の安全管理に焦点を当てた技術習得プログラムを作成する。 研究成果を統合した結果、次の2点が明らかになった。(1)治療過程を支援する際の看護師の安全管理行動は、日常生活援助などそのほかの看護実践と共通している。(2)治療過程を支援する際に特徴的な行動は、『看護の視点で医師の指示内容・治療方針・医療行為の適切性を査定し、不適切な場合には、助言・指導し、変更・検討を促す。』『患者の真意を察し、医師・患者間の意志決定過程を支援する』などであり、看護学独自の知識・技術・態度が基盤となる。これらに基づき、安全管理技術教育プログラムについて考察した結果、一つの学科目を通してではなく、カリキュラム全体の構想に基づき、関連する基礎科目、専門基礎科目の後に各専門科目の水平軸を中心に展開することが適切であることが明らかになった。そのため、カリキュラム全体の中でどのように安全管理技術教育の内容を包括し、提供するかに関しての試案を検討、提示した。
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