2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592464
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
杉本 吉恵 Osaka Prefecture University, 看護学部, 教授 (40280185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青井 聡美 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (10321217)
高辻 功一 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70127249)
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Keywords | キネステティクス / 体位変換 / 高齢者 / 看護技術 |
Research Abstract |
1.身体可動性に問題がある高齢者にキネステティクスを用いた介助 動きに制限がある高齢者の動きを観察し、キネステティクスを用いた介助を取り入れることを試みたが、その介助法を継続的にケアの中に取り入れていく方法に課題があることが示唆された。 2.日本でのキネステティクスを用いた介助法を臨床に導入しようとしている施設などの情報 キネステティクス研修会(アドバンスコース)やポジショニング研修会などの企画を行い、キネステティクストレーナーの伊藤亮子氏を講師として、大阪府近辺の参加者を募り、地域でのキネステティクスを用いた介助法のスキルアップを図るとともにキネステティクスを取り入れている施設などの情報を収集した。 3.キネステティクスを用いた介助法と従来の介助法との比較 キネステティクスベーシックコースまたはアドバンスコースを修了した11名を対象に、模擬患者をベッド上で上方移動させる従来法とキネステティクスを用いた介助法の2つの方法を実施し比較した結果、総筋活動量では,すべての被験筋において従来法に比べキネステティクスが高値を示し、介助に要した平均時間は,キネステティクスが従来法と比較し、約4倍の時間がかかっていた。しかし、各動作の1秒間の筋活動量の比較では,左右上腕,右僧帽,左脊柱,右ハムストリングにおいてキネステティクスの筋活動量が有意に低値であった。また、介助動作時の腰の屈曲角度はキネステティクスの方が有意に小さく、腰への負担が少ないことが窺えた。主観的評価においても、キネステティクスの方が介助動作に負担がないという回答が多かった。これらの結果から、従来よく行われている介助法は、短時間での介助にはつながるが、介助者にとっては腰への負担が大きいことがわかった。
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