2007 Fiscal Year Annual Research Report
農業に従事する女性のライフスタイルを重視した更年期セルフケアプログラムの関発
Project/Area Number |
19592478
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
島 明子 Hokkaido University, 医学部, 助教 (80337112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前沢 政次 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90124916)
河原田 まり子 北海道大学, 医学部, 准教授 (90374272)
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Keywords | 看護学 / 更年期 / 農業 / ライフスタイル / ヘルスプロモーション / セルフケア / コミュニテイ |
Research Abstract |
【研究目的】 本年度は、農業に従事する女性のライフスタイルと更年期症状に対するセルフケアの特性を抽出することを主たる目的とした。来年度へ向けて、セルフケアプログラムの試案作成を目指した。 【方法】 関連職業団体や地域保健師を通じて研究参加者を募集し、年齢40歳〜50歳までの酪農業に従事する女性5名で協働組織を編成し、10月、12月、2月にフォーカスグループインタビューを実施した。 【結果】 1.ライフスタイルの特性 初夏から秋の仕事量が増加するために季飾による仕事量の変化と、生活のほとんどの時間を家族と共に過す密着性が導き出された。 2.更年期症状の語り 症状としては「不眠」が最も多く、「肩こりや腰痛」と「手足の痛み」がそれに続いた。ホットフラッシュについては、生活への支障が少ないが、更年期症状か否か自己判断に迷うとして語られた。 3.更年期症状に対するセルフケアの特性 ・女性は、「肩こり」や「手足の痛み」を職業と関連する症状と認識しており、冬には仲間と共にストレッチをするなど、セルフケアを実践していた。 ・「不眠」への対応では、音楽や入浴などのセルフケアの工夫とその限界について明らかとなった。不眠への影響要因として、「仕事の緊張感」や「家族との関係性」が抽出され、これらを包括したセルフケアプログラムの必要性が示唆された。 4.セルフケアプログラムの試案作成 日常生活へ支障をきたしている不眠の改善を中心としたプログラムと、女性が心身の変化と更年期を関連づけてセルフチェックできる情報提供プログラムの双方の必要性が導き出された。 【意義および重要性】 農業従事者のライフスタイルは、労働内容の季節変化や家族との密着性が特徴的であり、更年期症状へ影響している可能性が窺えた。今後は、集団調査にて労働内容や家族との関係性が更年期症状へ及ぼす影響を明らかにするとともに、試案を再検討し、介入へつなげる予定である。
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