2009 Fiscal Year Annual Research Report
外来がん化学療法を受ける患者・家族に対するグループ介入による援助プログラムの開発
Project/Area Number |
19592500
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
鳴井 ひろみ Aomori University of Health and Welfare, 健康科学部, 准教授 (10237620)
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Keywords | 外来がん化学療法 / がん患者・家族 / グループ介入 / 援助プログラム |
Research Abstract |
研究目的:外来がん化学療法を受けながら日常生活を送るがん患者・家族を支援するために開発したグループ介入によるプログラムを実施・評価してプログラムのあり方を検討する。 研究方法:介入プログラムをA県の2施設で外来がん化学療法を受ける患者・家族で研究同意が得られた者に実施する。プログラムの効果を明らかにするために、質的データ(外来がん化学療法を乗り越えた体験や思い)、客観的評価指標(日本版POMS、がん薬物療法によるQOL調査票、日本版MAC、ソーシャルサポート)を用い、介入前・後に測定する。プログラム内容は質問紙により各セッション及びプログラム全体の評価を行う。 結果:2施設3グループ(各5人)の対象集団に対し、開発したプログラムを1回/週の開催で全5回の5週間実施した。対象者は患者のみ15名(男性6名、女性9名)、平均年齢60.8歳、診断名は消化器がん、血液がん、婦人科がんであった。質問紙調査の結果、統計的に有意であったカテゴリは、情緒状態の【不安・緊張】【怒り・敵意】【疲労】【活気】、QOLの【社会性】【全体的QOL】の6つであり(P<0.05)、いずれも介入前より介入後に肯定的評価の方向にシフトした。インタビュー結果では、化学療法を継続して受けることに対する受け止めにおいて、介入前の「医師に従って仕方なく受けている」が介入後は「医師とともに積極的に取り組む」に変化した。ソーシャルサポートでは、介入前の「医師に気楽に聞けない」「患者の立場に立った情報提供の不足」の内容が介入後は「医療者との壁がなくなった」「多職種のチーム医療によって支えられている」に変化した。また介入前は同病者からのソーシャルサポートの内容はなかったが、介入後は「仲間による対処方法の情報提供」「うち解け合える仲間の存在」「分かり合える仲間の存在」という患者同士の仲間のサポートが挙げられた。
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