2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢脳卒中患者の自我発達を促進する学習教材の開発と効果測定
Project/Area Number |
19592558
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
酒井 郁子 Chiba University, 大学院・看護学研究科, 教授 (10197767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 淑美 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50279832)
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (70237494)
末永 由理 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (10279838)
飯田 貴映子 大阪大学, 大学院・看護学研究科, 助教 (00466723)
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Keywords | 脳神経疾患 / 看護学 / リハビリテーション / 患者教育 / 教材 / 学習支援 / 自己決定 |
Research Abstract |
脳卒中からの長期的・主観的な回復を目的とし,高齢脳卒中患者の自我発達を支援する患者学習支援プログラムおよび教材を開発し,学習効果を評価すること,実施運営に関して評価し、プログラムに関する課題を抽出することを目的として,2か所のリハビリテーション専門病院(A,B)で研究を実施した.研究は準備,展開,評価の3つのフェイズから構成され,準備フェイズでは看護師教育プログラムの開発と実施評価,高齢脳卒中患者学習支援教材の開発と学習支援プログラムの開発,効果指標の選定を行った.展開フェイズでは学習支援プログラムを高齢脳卒中患者に実施した.評価フェイズでは学習支援プログラムの効果と課題を多面的に分析した.Aでは研究参加看護師16名(介入群12名,対照群4名),Bでは22名(介入群9名,対照群13名)であった.対象患者はA病院10名,B病院8名であった.看護師教育プログラムを受けた看護師の自己教育力が6ヶ月後に有意に上昇し,とくに学習の技能と基盤が向上していた.また学習支援プログラムを受けた高齢脳卒中患者では,Aにおいて学習支援プログラム終了後の自己決定の力に関する自己評価が有意に向上した.Bでも同様の傾向がみられたが有意差はなかった.評価フェイズでは,14名の介入群参加看護師のFGIから本研究に関する多面的な評価が得られた.(1)学習支援プログラムと教材を開発したこと,(2)看護師にとって高齢脳卒中患者の学習ニーズに気づき学習を推進する環境とケア提供の効果を実感する機会となっていたこと,(3)対象患者では自身のおかれている状況に気づき,情報獲得および自己決定の機会が確保され自己決定に関する自己評価が向上したことが本研究の成果である.課題として時間的制約の強いリハビリテーション医療の現場で患者の学習ニードと認知機能に合わせた学習支援プログラムを展開するための援助技術の開発の必要性が示された.
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Research Products
(3 results)