2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592577
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
山下 美根子 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 教授 (60301850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 冨夫 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70315711)
横山 恵子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80320670)
松尾 彰久 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20381428)
小林 悟子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00389800)
関根 止 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20404931)
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Keywords | 認知能力 / 残存能力 / 認知機能 / アセスメントツール / 測定尺度 |
Research Abstract |
本年度は2つの集団(一般病棟患者と精神病棟患者)を対象に、山下研究班が開発した本アセスメントツールを用いて対象者の認知能力を測定した。埼玉県内にある地域総合病院の一般病棟に入院した患者(N=149;75.8±15.1才)の認知能力を測定した結果は、内科、内科呼吸器、循環器、内科リハビリの順に平均値が低い結果を得た。内科リハビリ患者の認知能力が他病棟患者と比較して最も低かったことから、70才代後半のリハビリ訓練を行っている患者には、支援を提供する上で特別な配慮や工夫が重要となる。 次に、精神科病棟患者を対象に本アセスメントツールを用いて、彼らの認知能力を測定した。対象者75人(平均年齢:44.9才±8±15.1;範囲:10-80才)中、男性49.3%(n=37)と女性51.7%(n=38)から得た有効回答を基に分析を行った。その結果、年齢、性別に関係なく薬物依存の患者が,最も高い得点を得た。その反面、統合失調症を持つ対象者が最も低い得点であり、その間に抑うつ病と躁鬱病が位置づけされた。これは精神科病棟患者を対象とした中で、薬物依存症を持つ対象者の認知能力が最も高く、次に抑うつ病および躁鬱病の患者と続き、最も得点が低かったのは統合失調症を患っている対象者であることが分かった。対象者の多数79%(59人)が平均値以下を占め、一方平均値以上を獲得した対象者は20%であった。 以上から、本ツールを用いて高齢者および認知障害を持つ対象者の認知能力を測定しての結論は、彼らの認知能力を客観的に査定した上、関わることでより効果的な支援が提供出来ることが示唆された。
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