2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域における独居高齢者の貧困が健康に及ぼす影響と地域看護支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
19592581
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
別所 遊子 Kanagawa University of Human Services, 保健福祉学部, 教授 (20190176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 貞司 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90223833)
片平 伸子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (10381675)
本田 亜起子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (90420695)
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Keywords | 高齢者 / 健康 / 貧困 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域において相対的に貧困な状態にある独居高齢者の健康の状態と健康にかかわるニーズ、健康状態に影響を及ぼす要因、医療保健福祉サービスの利用状態、ソーシャルサポートの受領状態を明らかにし、貧困な状態にある独居高齢者の健康レベルを維持し、生活機能の低下を予防する方策について検討することを目的としている。 平成20年度は、経済的理由による高齢者の介護保険サービス利用の手控えに焦点をあて、手控えが利用者や家族へ与える影響と、それへの対応の現状を明らかにすることを目的に、介護支援専門員を対象に調査を行った。その結果、介護支援専門員の47%は、経済的な理由から必要な介護保険サービスを手控えられた経験があった。手控えは、「同居の家族からの申し出」によるものが最も多く、手控えには家族の意向が影響していることが推察された。経済的問題の具体的な内容としては「年金などの収入が少ない」が最多であった。手控えを経験していた介護支援専門員の約半数は、サービスを控えたことにより利用者の健康状態の悪化や家族の介護負担の増加を惹き起こした経験を持っていた。これらの問題の解決に向けて、介護支援専門員は「家族の協力を求めた」、「介護保険サービスの使い方を工夫した」などの対応をしており、手控えの影響を最小限にするための工夫をしていることが示唆されたが、費用負担の軽減措置など支援制度の検討も求められる。
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