2008 Fiscal Year Annual Research Report
育児不安の実態とその関連要因に関する縦断研究-都市部と郡部の比較-
Project/Area Number |
19592594
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山田 和子 Wakayama Medical University, 保健看護学部, 教授 (10300922)
|
Keywords | 育児不安 / 乳幼児健康診査 / 自記式質問紙 / 都市部 / 郡部 |
Research Abstract |
I.目的 核家族化、少子化が進行する中、育児のあり方は社会状況により変化する。近年のこれらの変化の中、特に子どもの年齢に応じた育児不安の実態を把握し、都市部と郡部における育児不安や育児環境を比較することを目的に調査を行った。 II.結果 郡部であるA市の4か月児健康診査を活用し、100人をメドに自記式質問紙法により調査を継続している。現在89人の母親から回答があった。 ・対象の特徴:母親の年齢は16歳から40歳で、平均29.9±5.2歳で、有職者27%であった。子どもの出生順位は第1子が46.6%、第2子が37.5%、第3子以上が15.9%で、出生児体重は2500g未満が2.2%であった ・産後うつ質問票による得点は0点から30点の範囲で、得点が高い程うつの可能性が疑われる。調査では最小0点、最大22点で、平均3.43±4.3点であった。産後うつの可能性が疑われる「9点以上」は9人(10.3%)であった。 ・子育てに関する気持ち質問票による得点は0点から30点の範囲で、得点が高い程育児不安が強い。調査では最小8点、最大35点で、平均20.0±6.0点であった。 ・母性意識質問票による得点は1点から24点の範囲で、得点が高い程母親であることを肯定的に捉えている。調査では最小8点、最大24点で、平均20.3±3.2点であった。 ・赤ちゃんへの気持質問票による得点は0点から30点で、得点が高い程児への気持ちが否定的とされている。調査では最小0点、最大10点で、平均1.61±2.1点であった。 ・都市部の調査と比較すると、母親の年齢は郡部の方が若く、有職者の割合はほぼ同程度だった。出生順位の割合も程度であった。都市部の産後うっ質問票の「9点以上」は9.3%、子育てに関する気持ち21.3±6.7点、母性意識20.0±3.4点、赤ちゃんへの気持ち1.8±2.6点で、郡部の方が児を肯定的にとらえ、育児不安が少なかった。
|