2008 Fiscal Year Annual Research Report
難病相談技術の抽出と難病療養者支援システム構築の課題
Project/Area Number |
19592606
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Research Institution | Gumma Paz College |
Principal Investigator |
矢島 正栄 Gumma Paz College, 保健科学部, 教授 (40310247)
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Keywords | 看護学 / 難病 |
Research Abstract |
本研究は、地域の難病療養者とその支援者が直面する課題が集約される難病相談・支援センターの相談・支援事業に焦点を当て、質の高い相談・支援の提供と地域における難病療養者支援システム構築の方向性を探ることを目的とする。平成20年度は、広域難病相談・支援における支援者間連携の実態から難病地域支援体制の課題を検討した。群馬県が設置する難病相談・支援センターの難病相談・支援員が平成13年度から17年度に取り扱った相談のうち、支援者からの相談記録632件を分析対象とし、難病相談・支援に関する事柄を抽出して内容分析の手法を用いて分析した。また、相談が多い保健所保健師、医師、訪問看護師、介護支援専門員の4職種について、相談・支援の過程における支援者間の連携を図式化した。分析の結果、747記録単位が抽出され、地域の支援者との連携の実態の内容として13のサブカテゴリーから【支援課題解決のための情報提供・助言】【支援への参加】【支援態勢構築の支援】の3カテゴリーが形成された。さらに、図式化の結果から、広域難病相談の役割として、保健所保健師の相談への対応における連携職種の多様さ、告知や医療処置開始に伴う医師との連携、訪問看護師と地域の保健所保健師・専門主治医・入院医療機関看護師との連携支援、介護支援専門員への難病療養者支援に関する情報提供と医療職・福祉関係者との連携支援、支援者会議開催・参加の支援などの特徴が明らかになり、今後の難病地域支援体制構築に向けた資料が得られた。さらに、この結果を受けて面接調査票を作成し、要継続支援事例における連携の実態と課題を把握するための面接調査に向けた準備を実施した。
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