2007 Fiscal Year Annual Research Report
「のさり」の両義性と日本人のウチ・ソト文化からみた地域ケア・システムの構築
Project/Area Number |
19592620
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
竹熊 千晶 Kumamoto Health Science University, 保健科学部・看護学科, 准教授 (20312168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 宏昭 熊本大学, 文学部, 教授 (20040503)
日高 艶子 聖マリア学院大学, 看護学部, 助教授 (50199006)
高木 美穂子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (00412792)
蔵本 文乃 東海大学医療技術短期大学, 助教 (30389548)
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Keywords | のさり / ウチ・ソト / 文化 / ケア・システム / 地域 |
Research Abstract |
1.調査方法についての検討と予備調査:ライフヒストリー調査法については、講師との日程調整がつかず実施できていない。来年度実施予定である。講師執筆の著作をもとに、この方法が今回の調査に適応できるがどうかの検討を行っている。予備調査として、これまで「のさり」の両義性の視点から、同様の意味で「ヌサリ」と使用されていた知名町屋者地区を再度訪問し、インタビューを行った。また読谷村で介護保険制度前の「介護ゆいまーる事業」のその後について、役場職員と住民から聞き取り調査を行った。 2.これまでのデータの分析と概念枠組みの作成:離島調査の量的なデータと質的調査の中から地域文化の特質とケア行動には関連性があり、ケアにおける境界があるのではないかということが考えられた。これまでのインタビュー事例への補足調査をすすめている。要介護状態の人に対し、人びとはどのような距離をとり、手助けをしていくのか。それはどういう範囲の人であるのか。分析をすすめているが、身体接触に関わるケアほどウチとソトの境界が明瞭で家族のみで抱え込む傾向があり、家族以外の近隣者は入り込めないのではないかと考えられる。 3.来年度調査に向けての準備と課題:離島の住民だけでなく、「のさり」を使用する地方都市の団地に居住する高齢者についても、その生活実態と要介護の状態になった場合のケアの状況を面接聞取り調査を行うための準備を進めている。そこから、離島の揚合と比較検討しつつケアの境界と日本人の文化との関連性について探求する。
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