2007 Fiscal Year Annual Research Report
定住ラテンアメリカ人のChagas病疫学調査と輸血感染予防対策
Project/Area Number |
19604003
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三浦 左千夫 Keio University, 医学部, 助教 (30051858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 廣夫 九州大学, 医学研究院, 助教 (80117225)
関 健介 杏林大学, 保健学部, 助教 (40286430)
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Keywords | 在日ラテンアメリカ人 / 産業医 / 慢性Chagas病 / 潜在キャリアー / 突然死 / 集団検診 / 輸血感染 / 日伯援護協会巡回医療班 |
Research Abstract |
在日ラテンアメリカ人の集中する愛知県、静岡県、神奈川県、及び海外での活動:1.愛知県保見団地ラテンアメリカセンターにて、Chagas病についての注意喚起を行い、団地の住民構成の70%がブラジル人である事が判明した。調査活動の実施には彼らの仕事の関係上、土曜日日曜日が望ましく、企業検診は産業医との協力を得る事が求められた。2.神奈川県内にもかなりのラテンアメリカ人が定住しているが散在しており、集団検診の形での調査は困難である。医療機関からの診断依頼では慢性Chagas病と判明した物は2名いた。1人はボリビア人、1名はブラジル人の突然死例であった。3.静岡県ではChagas病に関する注意喚起を産業医、検査企業に対して行い、その後、企業検診の機会にも恵まれた。受診者には本疾患の恐ろしさ、潜在キャリアーの存在、輸血感染の危険性についての講話を行い、ビジュアル資料を提供した。その結果、350件余りの抗体検査が実施できた。陽性2名、擬陽性2名で現在精査検討しており、今後、陽性者への対応が課題である。4.日伯援護協会巡回医療班の協力を得て、多数の出稼ぎ者を出しているブラジルの目系人移住地周辺でのChagas病に関するアンケート調査、抗体検査を行なった。その結果、約5%に感染が見られ、Chagas病既往歴、死亡者等を加味すると、移住者社会30歳以上の年齢層には、10%以上の感染者の存在が推定できた。
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