2010 Fiscal Year Annual Research Report
定住ラテンアメリカ人のChagas病疫学調査と輸血感染予防対策
Project/Area Number |
19604003
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三浦 左千夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30051858)
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Keywords | 在日日系人 / 在ブラジル日系人 / 慢性シャーガス病感染 / Trypanosoma cruzi抗体 / 献血輸血感染 / ラテンアメリカ人集住地域 / ブラジル領事館 / T.cruzi抗体スクリーニング検査 |
Research Abstract |
1)本年度は在日日系人554名、在ブラジル日系人41名の合計595名について慢性シャーガス病感染(Trypanosoma cruzi抗体)について検査を行った。その結果国内においては9/554名の抗体陽性者が検出された。危惧される献血者であるがいずれも抗体陰性であった。しかし、在南米経験のある日本人から抗体陽性者が出た事は、献血輸血感染予防対策上長期南米滞在者に関してはラテンアメリカ人同様にT. cruzi抗体のスクリーニング対称にすべきであろう。今後更に献血輸血現場に対する注意喚起をより強力に進める必要がある。 2)ラテンアメリカ人集住地域での抗体検査の際にはブラジル領事館の協力の下にブラジル人医師が伴い、またラテンアメリカ人の支援活動を行うNPO-SABJA,Disque Saude,NPO-MAIKENなどの協力も得られ、支障なく検査が行うことが出来た。ブラジルにおいては日伯援護協会、東北ブラジル・レシフェ市日本人会などの協力を得ることが出来た。 3)ブラジル人集住地域のある自治体で各県日赤血液センターにて、現場に立つ医療関係者にシャーガス病感染予防を目的とした研修講演を行った。その結果、愛知県の一部でラテンアメリカ人に対して献血時の抗体検査の項目に、実験的にT. cruzi抗体スクリーニング検査を加えることが出来たことは多大なる成果と評価したい。今後も更にラテンアメリカ人社会をかかえる各県日赤血液センターでスクリーニング検査が実施されるように期待する。
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