2010 Fiscal Year Annual Research Report
全球積雪サブグリッド被覆率の高解像衛星データによる算定と陸面過程モデルによる検証
Project/Area Number |
19612004
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
高田 久美子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (60270906)
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Keywords | 陸面過程モデリング / 積雪分布 / 衛星観測データ |
Research Abstract |
衛星による積雪被覆の全球高解像観測データ(MODIS)を、モデルの結果と直接比較して検証に利用できるように、解像度の変換等のデータ整備を行った。また、全球気候モデル(MIROC5-AGCM)に導入した積雪サブグリッド被覆率スキーム(SSNOWD)について、SSNOWDで用いる積雪のサブグリッド分布タイプを、これまでは外部から与えていたが、これをMIROC5の地形・植生タイプ・平均気温からオンラインで診断できるように改良した。これにより、MIROC5で数値実験の中で、積雪のサブグリッド分布タイプを決められるようになり、気候変動による諸条件の変化をオンラインで考慮できるようになった。 これまで、積雪被覆率を積雪水当量の単純な関数で診断するスキーム(OLD)で算定した場合と、SSNOWDを導入した場合を比較して、SSNOWDの導入効果を調べてきたが、本年度は、SSNOWDの積雪サブグリッド分布タイプを、地形が平坦で植生が少ない寒冷地(ツンドラ)のパラメタに一様に置き換えて追加実験を行い(CNST)、パラメタへの依存性についても調査した。その結果、積雪開始期には、植生が森林から草原に変化すると積雪被覆率が小さくなり、山岳地が平地に変化すると積雪被覆率のばらつきが小さくなる傾向のあることが明らかになった。その際に、積雪被覆率が増加(減少)すると、地表面アルベドが増加(減少)して、地表面付近の気温に±1~2℃程度変化させる影響を持つことが示された。また、融雪量の変化に伴って春・夏の土壌水分が減少した地域では、夏の気温が高くなることが示された。
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Research Products
(2 results)