2008 Fiscal Year Annual Research Report
対人コミュニケーションスキル習得における母子会話の役割ー定型・非定型発達の比較
Project/Area Number |
19650063
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 優子 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (50392030)
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Keywords | 心の理論 / コミュニケーション / 母子会話 / 自閉症スペクトラム / 言語発達 |
Research Abstract |
言語コミュニケーションの語用論的側面の重要な項目である指示語(コソア)の理解について高機能自閉症スペクトラム児と定型発達児を対象とした現場指示の課題を行った。結果、定型発達児では平均生活年齢8歳の低年齢群ですでに9割以上の正答率であったのに対し、高機能自閉症スペクトラム児では指示語の理解が定型発達児群よりも悪く、とくに会話役割が関与する「これ」と「それ」の理解が有意に悪いことが示された。 眼球運動測定を用いたプロソディー課題では、話し手の確信度を表す文末表現の理解を、小学校低学年の自閉症スペクトラム児と定型発達児を対象に検証した。発話内容に対する確信度の強弱を示す文末助詞(「よ」対「かな」)、あるいは文末のイントネーションの上下を手がかりに、語彙獲得課題を与えた結果、自閉症スペクトラム児は文末のイントネーションの理解が苦手である可能性が示唆された。 母子対話については、高機能自閉症スペクトラム児5名を含む11名について、半年おきの継続的なデータを収集中である。また、より低年齢群(月齢24ヶ月以下)を対象に12組の母子対話データを新規収録した。 絵本とDVを用いたナラティブ課題を月齢48ヶ月から96ヶ月児を対象に新規に開始し、20名分のデータを新規に収録した。
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