2007 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得時の内的発話効果の研究-脳内画像処理過程による検証-
Project/Area Number |
19652059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
浅野 恵子 Juntendo University, 医学部, 准教授 (40407234)
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Keywords | 第二言語習得 / 読解処理速度 / リスニング・リーディング能力 / 内的発話 |
Research Abstract |
英語母語話者はリーディングを行なう際に読解に適した速度"Rauding Rate"を備えていると言われている。第二言語習得者としての日本人英語学習者において、英語母語話者と同様に読解に適した速度を持ちえているのかを検証した。その際に読解速度テストを実施し、リーディング速度測定を行った。実験に参加したのは、大学生74名の男女である。同学部・同学年の被験者ということでレベルの統一性をはかった。読解速度の平均170wpmであった。これは米国人の6年生に相当する速度であると換算される。詳細に観察すると、174〜189wpmに16名、135〜151wpmに14名と多く分布していた。しかし80wpm代に2名、また、読解速度の速い者が231〜247wpm(米国11年生に相当)内に4名おり、同じ学習習熟度集団とみなした中での実験であったが、読解速度の面では個人差も大きいことが検証された。学習習熟度別の違いによる日本人英語学習者の読解速度の相違については、現在さらに実験を実施中である。母国語を処理するときに保持している読解速度という面では、目本人英語学習者が、日本語を読んでいるときの読解速度も検討している。 また、リーディング速度が速い英語学習者はほかの言語技能能力とも連動しているかを検証するために、リスニング・リーディング能力の試験(TOEIC)で観察したところ、リスニングとの相関が高いことが示された。しかしこれもさらに習熟度を細分化した被験者において、今後も実施していく予定である。 研究題目である、外国語を外言できるようになるには一定の内的発話が行えるようになる必要があるという第二言語習得時の仕組みを検証するために、どのように脳が活動しているか、MRIを用いた非侵襲脳活動計測で測定する準備を進めている。
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Research Products
(1 results)