2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19673002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
筒井 健一郎 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (90396466)
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Keywords | カテゴリ / 推論 / 前頭連合野 / サル / 単一ニューロン活動 / 経頭蓋磁気刺激(TMS) |
Research Abstract |
高等脊椎動物は、経験した刺激-結果、あるいは刺激-反応-結果の関係を、それぞれ個別に学習するのではなく、同じ結果を導く刺激をグループ化して認識している、すなわち、刺激の機能的等価性に基づいて刺激のカテゴリ化を行っていることを示唆する知見がある。このような刺激のカテゴリ化は、情報表現の効率化に役立つだけでなく、同じカテゴリのメンバーは同じ性質を持つという、刺激の等価性に基づく推論的思考を行う基盤になりうる。本研究は、カテゴリを用いて推論を行わせる「カテゴリ逆転課題」をサルに行わせ、課題に関係した脳活動を計測したり、脳活動を局所的に阻害した時の行動の変化を調べたりすることにより、刺激等価性に基づくカテゴリの成立と、カテゴリに基づく推論について、その脳内機序を明らかにすることを目的としている。研究計画の4年目にあたる本年は、これまで前頭連合野から記録したデータの詳細な分析を行い、前頭連合野がカテゴリを基にした行動制御に重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、一方で、前頭連合野にはカテゴリの長期記憶が貯蔵されていないことも示唆されたので、カテゴリの長期記憶は、側頭連合野に貯蔵されている可能性が高くなった。そこで、次年度に側頭連合野からニューロン活動の記録を行うための準備・予備実験を行った。また、前頭連合野の機能を阻害し、行動への影響を調べるため、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を行うための準備・予備実験も行った。
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Research Products
(11 results)