2007 Fiscal Year Annual Research Report
1遺伝子リアルタイム可視化と細胞内動態・分散性精密制御による次世代ベクターの創製
Project/Area Number |
19680025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋田 英万 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 助教 (80344472)
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Keywords | リアルタイムイメージング / 細胞内動態制御 / 遺伝子デリバリー |
Research Abstract |
人工遺伝子ベクターのボトルネックとして、遺伝子発現効率の悪さが挙げられる。ウイルスベクターは発現効率が高いことが知られているが、本ベクター群は、細胞内を微小管輸送により効率的に核まで送達できることが示されている。本年度は、人工ベクターの核移行における微小管輸送系の関与について解析を行った。微小管重合阻害の遺伝子発現に及ぼす影響を評価した結果、人工ベクターにおいても、きわめて高い阻害効果が得られることが明らかとなった。このことから、人工ベクターにおいても微小管輸送が得られることが明らかとなった。また本微小管阻害は、クロロキンなどのエンドソームを人工的に破壊する試薬存在下でも起こることが明らかとなり、微小管輸送がエンドソーム脱出後に行われることが示唆された。また、人工ベクターの細胞内動態解析をリアルタイム解析したところ、微小管に沿った動きをすることを明らかとした。 また、極性細胞における細胞内動態を解析した結果、ある種の脂質に素子を修飾することによって、細胞外から取り込まれたのち、レトログレードな輸送によりゴルジ体まで輸送されることが明らかとなった。細胞内の細胞膜や初期/後期エンドソーム細胞内小器官を安定的にラベルするためオルガネラ局在性蛍光タンパクの発現系を構築することに成功しており、今後これらの細胞を用いて解析を行うことで、ゴルジ体へ移行するまでの細胞内輸送系をと同定していきたく予定である。
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