2008 Fiscal Year Annual Research Report
近現代フランス共和主義における非宗教性とポスト植民地主義的社会構造
Project/Area Number |
19683002
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
大中 一彌 Hosei University, 国際文化学部, 准教授 (60434180)
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Keywords | 国際研究者交流 / フランス / グローバル化 / 植民地 / ヨーロッパ / ジェンダー / 政治学 / アルチュセール |
Research Abstract |
本課題におけるおもな研究対象は、大都市郊外の暴動というかたちで噴出したフランス社会のポスト植民地主義的な構造と、その共和主義に特有の政教分離の形態である非宗教性のあいだの相関関係の分析である。二年度目にあたる今年度(平成20年度)においては、西ヨーロッパにおける移民問題を、過去の植民地主義とかかわりや、歴史のなかでつちかわれてきた他者への想像力の問題として分析することをこころみた。この研究テーマについては、日本政治学会編『年報政治学』に論文を執筆した。またフランスに留まらず、西ヨーロッパというパースペクティヴにおける立論を目指す本研究課題の方向性を検証すべく、2008年10月に神戸大学大学院国際文化学研究科の小笠原博毅准教授をお招きして、「フットボールとポスト植民地主義」と題する講演会を開催した。本学他学部の教員や、大学院のフランス人大学院生も報告や質疑に積極的に参加したこの講演会では、イギリス社会にかんする政治文化研究を中心的な主題として論じた講演者にたいし、フランス語圏やドイツ語圏におけるポピュラー・カルチャーと政治のかかわりについて、討論参加者から活発な議論が提起された。英語圏との対質という点にかんしていえば、2008年12月〜2009年1月に実施した、アメリカ合衆国ペンシルバニア州フィラデルフィアにおける資料調査も有益であった。同じ世俗性の論点の強調であっても、そもそも信教の自由の保障を前面に押し出すアメリカ型の世俗性と、フランスのそれとでは大きな懸隔があることが確認された。
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Research Products
(4 results)