2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700458
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
小澤 淳也 Hiroshima International University, 保健医療学部, 講師 (00435059)
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Keywords | 骨格筋 / 脱神経 / 線維化 / transforming growth factor beta |
Research Abstract |
<具体的内容> 19年度に抽出・調整したラット脱神経筋サンプルを用い、リアルタイムPCRで脱神経後3,7, 14, 28日のヒラメ筋でのTGF-β1遺伝子発現を調べた。その結果、脱神経後のヒラメ筋では無処置の対照群と比べ脱神経後3日より増加し(1.7倍)、その後増加が見られた(7日 : 2.7倍、14日 : 2.7倍)。 線維化形成の詳細を組織学的に調べるため、ラットの坐骨神経を切除した後のヒラメ筋を採取し、凍結固定もしくはホルマリン固定の後、パラフィン包埋した。HE染色およびアルデヒドフクシン・マッソンゴールドナー染色を行ったところ、脱神経後7日より血管周囲や筋内膜・筋周膜で結合組織の肥厚がみられ、14, 28日後では線維化傾向が増加した。 <意義・重要性> 結合組織の増生にTGF-β1が関与することが培養細胞あるいは傷害筋で示唆されているが、今回の結果から、骨格筋脱神経後の結合組織増加に先立ってTGF-β1遺伝子発現の増加が開始し、その後も増加することがわかった。したがって、抗線維化を目的とした介入は、脱神経後早期から行う必要がある可能性が示唆された。脱神経後初期からTGF-β1発現を抑制あるいはTGF-β1の機能自体を抑制できれば、その後に生じる線維化を減少させる可能性がある。今後はTGF-β1の発現を抑制する薬物(ステロイド)、機械的刺激などの介入方法を探ることで、脱神経後の骨格筋線維化形成を遅延・抑制し得ると考えている。
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