2008 Fiscal Year Annual Research Report
食品の調理加工におけるポリフェノール化合物の消長と機能性の変動に関する研究
Project/Area Number |
19700585
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
竹中 真紀子 National Agricultural Research Organization, 食品総合研究所・食品工学研究領域, 主任研究員 (60353968)
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Keywords | 食品 / 調理 / 機能性 |
Research Abstract |
調理加工によって機能性が向上する例として、タマネギの搾汁液を濃縮・加熱して製造する風味付け調味料のオニオンエキスについて、製造工程中のラジカル消去活性および褐変度の変動を追跡した。レギュラータイプオニオンエキスを加熱してローストタイプオニオンエキスを製造する工程でポリフェノール化合物はほとんど消失したが褐変度およびラジカル消去活性は著しく向上した。試験管内でレギュラータイプオニオンエキスをモデル的に加熱してローストタイプオニオンエキスを作製し、経時的にサンプリングしてラジカル消去活性の変動を調べたところ、ローストタイプオニオンエキスはラジカル消去活性が最大に達した時点の製品であることが判明した。 調理加工によって機能性が低下する例として、ジャガイモの各種加熱(茄で加熱、オーブン加熱、過熱水蒸気加熱および微細水滴を含む過熱水蒸気中での加熱)中の機能性成分(クロロゲン酸類)の変動を追跡し、各種モデル実験も交えてクロロゲン酸類の変化と温度履歴との関係を明らかにした。ジャガイモ中のクロロゲン酸類は、加熱時に60-80℃を通過する間に酵素反応によって変化した。これより高い温度帯ではクロロゲン酸の損失は認められず、異性化が認められた。また、ジャガイモのクロロゲン酸類は塊茎の表層部に局在しており、ジャガイモを塊状で加熱する際は表層部を急速に80℃以上まで昇温させることで機能性を保持できることが判明した。 以上のように、調理加工におけるポリフェノール化合物(ケルセチンおよびクロロゲン酸関連化合物)の変動と機能性(抗酸化性)の保持・向上に関する知見を得た。
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Research Products
(2 results)