2007 Fiscal Year Annual Research Report
安住院蔵書調査を基盤とする西国文化圏と伝播ルート解明に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19720042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 一麿 Osaka University, 文学研究科, 特任研究員 (10420415)
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Keywords | 寺院聖教 / 密教 / 地方文化史 |
Research Abstract |
安住院蔵書の調査として、蔵の中で長年放置されてきた典籍を一点一点取りだし、虫干しとほこり払いをし、新しい箱に外典・内典、版本・写本、印信・聖教などの大まかな区別をしつつ、詰め直す作業を行った。現在全体の3分の2程の詰め替えが終了している。これは、調書取りや整理番号を付していく前段階の作業として、また、大まかに全体を把握する作業として重要であり、且つ典籍の腐食を防ぐ意味も有する。 また、これと平行して、木箱に入れられているような重要典籍の書誌カード作成とデジタル撮影を順次行っている。特に寺伝にかかわるものや、鎌倉期以前の切れ・零本などを優先して調査・撮影しており、そのデータをもとに蔵書の目録化を行いつつある。また、縁起類の翻刻や、歴代安住院住職の次第などを復元することで、寺院調査で不可欠な寺院史の整備も進めている。 安住院以外には、随心院・善通寺・正通寺・大山寺・蓮台寺・宝泉寺他多くの寺院を訪問し、古写本の有無の調査や文献の閲覧を行った。特に岡山県下の訪問寺院は10カ所前後にのぼり、この地域の聖教残存の状況の把握に努めた。その中で西大寺に関しては、法会や儀式の面から備中では重要な位置にある寺院であり、安住院同様に所蔵文献の調査を行っており、書物を通した備中の寺院間交流の解明が今後期待される。次年度も同様の作業を継続するが、作業効率を高めるべく努力したい。
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