2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730009
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長谷川 貴陽史 Tokyo Metropolitan University, 社会科学研究科, 准教授 (20374176)
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Keywords | 基礎法学 / 法社会学 / 土地利用制限約款 / 住宅所有者団体 / 比較法 |
Research Abstract |
本研究は,米国における土地利用制限約款制度(CC&R)とその運用実態とを分析するとともに,約款を有する共用部分付住宅地(CID)及び住民が構成する住宅所有者団体(HOA)の実態を,法社会学的に考察することを目的とする。 具体的には,米国の土地利用制限約款とその運用過程について,近年の判例の分析や実態調査をも行い,現状を把握すると同時に,わが国の土地利用制限約款ともいえる建築協定制度を活用している住宅地と,米国のそれとを対比して,規制の内容や手法がどのように異なっているのかについて,比較制度論的な考察を加えることを目指している。 本年度は,建築協定について,横浜市の事例を再検討するとともに,米国の土地利用制限約款に関する文献資料を収集し,その規制の実態を主としてその規制内容から分析した。 具体的には,Homeowners Associationに関係する文献資料を渉猟するとともに,Covenantsの内容に関わる判例(Nahrstedt v. Lakeside Village Condominium Association 878 P.2d 1275(Cal.1994))や建築デザインに関する判例(Town & Country Estates Association v. Slater 740 P.2d 668(Mont.1987))を検討した。 わが国の建築協定に係る判例は少なく,また協定できる内容は限定されているため,彼我の制度比較は容易ではないが,米国のCovenantの規定は多様であり,これをいくつかのバターンに分類して整理する見通しを得ることができた。将来的に,我が国の建築協定の規制内容を多様化した場合,いかなる紛争が生じ得るかを,米国の判決を通じて一定程度予測できるように思われる。この米国の判例の類型化作業を,来年度も実態調査と並行して実施することにしたい。
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Research Products
(3 results)