2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730009
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長谷川 貴陽史 Tokyo Metropolitan University, 社会科学研究科, 准教授 (20374176)
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Keywords | 基礎法学 / 法社会学 / 土地利用制限約款 / 住宅所有者団体 / 比較法 |
Research Abstract |
本年度は、米国の土地利用制限約款の制度及び判例、住宅所有者団体の実態について、文献資料を収集することができた。 その結果、とりわけわが国の建築協定制度(建築基準法69条以下)との重要な差異について明確に理解することができた。すなわち、米国の土地利用制限約款における規制内容の豊冨さ、住宅所有者団体による公園やテニスコートの管理の実態住宅所有者団体の権限の多様さ(違反者に対する制裁金の賦課等)などである。また、いくつかの米国の判例についても、分析を行った。 本年度は、こうした日米の制度比較を踏まえた上で、改めてわが国の建築協定制度とその運用について、論考を執筆した。その草稿は、第1回ハーヴァード=スタンフォード国際若手研究者会議の報告論文として報告し(2008年10月17日、於スタンフォード・ロースクール)、参加者の有益なコメントを仰ぐことができた。また、完成した論考は、「Law and Community in Japan : The Role of Legal Rules in Suburban Neighborhoods」というタイトルで、Social Science Japan Tournal誌12巻1号(2009年6月刊行予定)に掲載される予定である。この分野において。日米の法制度の差異を踏まえた研究論文はほとんど公にされておらず、日本の私人による土地利用規制の運用過程(法使用過程)の特色を海外の研究者にも紹介する契機となりうると考える。 しかし、他方で今年度は、米国において土地利用制限約款の運用実態に関する詳細な調査を実施することができなかった。この点に取り組むのが、次年度の主要な課題である。
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Research Products
(1 results)