2009 Fiscal Year Annual Research Report
生活モデル理論に基づいた高次脳機能障害者の就労支援に関する研究
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19730365
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Research Institution | Sendai Shirayuri Women's College |
Principal Investigator |
志水 田鶴子 Sendai Shirayuri Women's College, 人間学部, 准教授 (70326750)
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Keywords | 高次脳機能障害 / 高次脳機能障害者 / 就労支援 / 対人関係 / プログラム / ステップアップ / コミュニケーション障害 / 就労支援プログラム |
Research Abstract |
今年度はスタッフサポータープログラム(一般就労に向けた就労支援プログラム導入~定着期)について調査を実施した。スタッフサポーターは準スタッフの役割を担うため、評価基準としては、仲間をサポートすることが出来ているか、介護職員として適切なケアが提供できているか等である。職員に対しても同様の評価基準に加え、日々の仕事の質や職場での人間関係が良好に保つことができているかについても評価を行った。 スタッフサポーター1名は個別プログラムとして車の運転業務に従事、1名は調理業務を就労支援プログラムに設定した。運転業務に従事している障害者は、自ら一般就労を目指すなら運転業務に取り組みたいと自ら申し出たことをきっかけにプログラムを再考し実施した。 高齢者のデイサービス事業の運転業務に従事したが、要介護高齢者の自宅までの送迎経路を覚えるだけに留まらず、天候や交通事情準に変更が見られる場合には事前に調べたり、スタッフに相談するなど、準スタッフとしての役割が十分に果せるようになった。調査対象の施設は就労支援プログラムとして、高齢者のデイサービス事業所で介護スタッフとして勤務し、就労技術を養う方法をとっており、IPSの手法を取り入れているといえる。希望する業務に従事することが障害者の意欲を引き出し、更に業務に対する責任感を持つようになったと考えられる。運転業務に従事している間、一度も事故などもなく安全運転が維持できることが確認されたため、2009年10月から調査対象の法人に正規職員として就職を果した。 調理業務に従事している障害者は10月に北海道斜里町で就業体験を行った。同業種での就業体験であったが、就労支援プログラムで身に付けた技術が定着している様子が確認できた。就業体験によって一般就労のイメージが定着し、現在は介護福祉士受験に向け努力している。 障害者の就労は、不況により困難だと見られがちだが、ソーシャルファームなど新しい雇用形態で多様な働き方ができるよう環境の側に働きかけることが重要である。今後は障害者のソーシャルファームやソーシャルエンタープライズ等にも関心を広げ研究を進めるとともに、より短期間に効果的な就労支援プログラムを検討していく予定である。
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