2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19730514
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
福島 裕敏 Hirosaki University, 教育学部, 准教授 (40400121)
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Keywords | 教員養成 / 組織 / 質保証 |
Research Abstract |
平成20年度は、教員養成の評価(質保証)と組織という点から研究を進めた。 国内の動向について、勤務校における教員養成改革の検証などに関わる一方、他のプロジェクトとも関連させながら、教員養成学部としての質保証の観点と組織について検討した。そこでは、学士レベルに共通に求められる水準を基本にしながらも、一定水準の教員の養成をどのようにおこなっていくのか、また教員養成において、理論と実践、教科内容と教科教育法などの往還をどのように図っていくのか、そのための組織をどのように考えていくのかについて検討した。 また、平成20年度に予定された海外調査を平成21年に実施した。学士号取得者を対象として教員養成をおこなうことが多いカナダ(トロント大学教育研究院とブリティッシュ・コロンビア大学)を対象として、教員養成カリキュラムとその組織のあり方について調査した。以下の諸点が特に日本の教員養成を考える上で示唆的と思われた。(1)教員養成と教員に関する事項は、大学研究者や学校教員などが関わる独立法人的な機関がおこなっていること。(2)教員養成に携わる組織と研究組織とは相対的に独立しており、前者には少なくとも修士号以上の学位をもった現職教員経験者が多く関わっていること。(3)また教員養成組織そのものの、カリキュラムや教育実習プログラムを企画・管理することに特化したスタッフと、実際の教員養成プログラムや教育実習指導に携わるスタッフとが分化していること。(4)大学と学校との交流があること。たとえば、教員の昇進と大学院プログラム履修との関連性、大学と学校との人事交流(前項(3)の後者のスタッフとして)など。 少なくとも、教員養成のあり方を考えていく場合に、組織体制のあり方が、そのカリキュラムの問題とともに重要であり、学校/大学との様々な形での「繋ぎ」が必要と考える。
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