2007 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児に対する読解能力検査と教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19730563
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
後藤 紗織 Tohoku Fukushi University, 総合福祉学部, 助教 (30438551)
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Keywords | 学習障害 / 読解力 / 小学生 / 読解力検査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)小学生の文の読解能力を測る検査の作成、(2)その検査を用い、全国のいくつかの小学校を対象に調査を実施し、小学生の読解力の現状を明らかにする、(3)その調査の結果を元に読解力を改善するためのプログラムを作成し、読解能力の低い児童、主に学習障害児に対して指導するという形成実験を行い、そのプログラムの有効性を検討する、ことである。 平成19年度は、上記(1)の目的である読解能力検査を作成するために、宮城県A市にて、小学1年から6年生の約520名を対象として、予備調査を実施した。この予備調査の目的は、各学年の問題文の内容が適切かどうか、及び設問の妥当性や信頼性を測り、選択するためである。 検査の内容は、それぞれ当該学年の教科書から問題文を抜粋し、設問はその文についての事実や心情を問うもの、語彙、語法を問うものなどから作成した。当該学年に関係なく、実際には何年生段階の読解力であるのかを測るために、一年生から六年生まで同一の検査問題にした。一学年分は長文が4題で設問は計16問、六年生分までだと計96問であった。実施方法は、どの学年の対象児も必ず一年生の問題から始め、対象児自身が解けないと感じたところで終了にした。 結果は、学校間の成績のばらつきは見られたものの、学年が上がるにつれ低得点者の割合が増え、どの学校や学年にも読解力に問題のある児童が存在していた。また、文の内容の事実や心情を問う設問で、文の中に解答が書いている設問(問題文を読めば答えがわかる設問)より、文面には書いてなく、対象児の既存の知識や想像で答えをだす設問の方が、正答率が高いという傾向が見られた。問題文を読んで解くのではなく、設問だけを見て解こうとする傾向があることが考えられる。
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Research Products
(1 results)