2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740007
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中本 和典 University of Yamanashi, 総合分析実験センター, 准教授 (30342570)
|
Keywords | 代数学 / 代数幾何学 / 表現のモジュライ / 不変式論 |
Research Abstract |
平成19年度の研究成果は次の通りである。 (絶対)既約表現にも,さらに特別なクラスの表現があり,表現論的にも意義があるということがわかった。面田康裕氏(明石高専)の協力で, (1)「thick」または「dense」となる表現が,表現のモジュライの中で開集合をなすことがわかった。 (2)具体的な古典群のいくつかの既約表現について,「thick」または「dense」であることを判定した。 ことが成果として得られた。この結果については,日本数学会函数解析学分科会で発表し,面田康裕氏も表現論シンポジウムで発表した。 簡単な定義にも関わらず「thick」「dense」についての研究は今後重要であると思われる。そのひとつの理由として「thickでない」絶対既約表現のモジュライを記述することは比較的容易で,具体的な群について「thickでない」絶対既約表現のモジュライの記述を行うことで,絶対既約表現のモジュライの記述を可能にするのではないかと期待できる。また,表現という「線型」の話だけでは,グラスマン多様体への作用または外積表現をコントロールできていない,というトピックの提示は,興味深い。特に,既約性が「thick」「dense」を意味しない,という簡単な事実でさえも,他の研究者に問い合わせてみても,よく知られた事実であったとはいえないと思われる。 なお,問題の重要性から,当初の研究実施計画とは研究項目の優先順位を変更した。来年度以降,順次他の研究項目についても着手していく予定である。
|