2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19740010
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂内 健一 Keio University, 理工学部, 専任講師 (90343201)
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Keywords | 楕円曲線 / アーベル多様体 / ポリログ / 国際研究者交流 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究の目的は、ポリログと呼ばれる数論幾何的対象を、様々な場合に具体的に書き下してp進L関数との関係等を調べることである。数論幾何的対象とp進L関数の関係はp進Beilinson予想と呼ばれ、数論幾何では興味を持たれている問題である。本年度は主にEisenstein層による方法と、アーベル多様体のポリログの記述の2つのテーマについて研究を進めた。 最初にEisenstein層の研究を進める上で、Regensburg大学のG. Kings教授とEisenstein類による計算方法を発展させた。特に11月にはRegensburgを研究訪問して、共同研究を行い、Eisenstein類とp進L関数の関係や、特にこの方法のp進Beilinson予想への応用について研究した。素数がordinaryであれば、この結果が虚2次体のHecke指標に付随するp進L関数のp進Beilinson予想の証明に利用できることが期待される。今年度後半はこの予想の解決に向けて、研究を進めた。 平行して、アーベル多様体のポリログのテータ関数による具体的記述の研究も進めた。特にアーベル多様体が楕円曲線の直積という簡単な2次元アーベル多様体の場合に、ポリログを記述する方法を発見した。これをより詳しく分析することが今後の課題である。 その他、今までの研究結果を幾編の論文にまとめ、投稿を始めた。Editorとのやり取りを通して結果を改良したり、論文を書き直したりもした。
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