2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNA分解酵素とその複合体の構造機能解析によるRNA分解系の研究
Project/Area Number |
19770083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 紀子 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (50379278)
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Keywords | RNA / RNA分解 / 酵素反応 / 立体構造解析 / トランスクリプトーム解析 / 相互作用解析 / 高度好熱菌 |
Research Abstract |
原核生物のmRNA分解は、mRNAを部分的に切断するendonucleaseとそれらの断片をさらに分解するexonucleaseの両方が必要である。これまで、大腸菌ではmRNA分解を開始するendonucleaseとしてRNase Eが必須であることが知られていた。しかしながら、RNase Eは大腸菌近縁種のみにしか存在せず、その他の多くのバクテリアではRNase Eの機能ホモログとしてβ-CASP family蛋白質を持つことが分かってきた。本研究では、高度好熱菌Thermus thermophilus HB8に存在する2つのβ-CASP family蛋白質TTHA0252とTTHA1140の解析を中心として、普遍的なバクテリアのRNA分解経路の解明を目指している。 1 β-CASP family蛋白質TTHA0252 昨年度までにTTHA0252の基質アナログとの複合体構造を結晶構造解析で明らかにし、変異体の立体構造および活性測定の結果から、exonucleaseとして働く機構について詳細に解析した。さらに、in vivoでの役割を解明するために、破壊株のRNAを抽出しトランスクリプトーム解析を行った。その結果、ORF単位では有意な変化は見られなかったが、cold shock proteinのmRNAが破壊株で増加傾向にあることが分かった。 2 β-CASP family蛋白質TTHA1140 TTHA1140は必須遺伝子であり破壊株を作製することはできなかったが、他のタンパク質と複合体を形成する可能性が他の生物で示唆されている。そこで、高度好熱菌の破砕液を用いて免疫沈降し、回収したタンパク質をESI-Q-TOF MSで同定した。その結果、複数の相互作用タンパク質の候補が得られた。現在までに、2つのタンパク質についてin vitroでも直接TTHA1140と相互作用することを確認した。
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