2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770189
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長田 洋輔 The University of Tokyo, 教養学部, 特任助教 (50401211)
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Keywords | 細胞・組織 / 移植・再生医療 / 再生医学 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 筋衛星細胞 / 自己複製 |
Research Abstract |
マウス骨格筋由来の筋芽細胞株C2C12を用いて骨格筋幹細胞の休眠状態への移行または休眠状態の維持に関与する因子を探索した. 増殖状態, 筋分化状態, 休眠状態となるように培養したC2C12細胞からmRNAあるいはタンパク質を抽出し, RT-PCR法やウェスタンブロッティング法によって解析を行った. 先行研究に照らし合わせて休眠状態の誘導または維持に関与していると予想される分子に特に注目したところ, Klf-4とTie-2について興味深い結果が得られた. Klf-4は休眠状態の細胞, つまりリザーブ細胞において, 増殖中の細胞や筋分化した細胞に比べて有意に高い発現が認められた. 一方, Tie-2はmRNAレベルでは細胞の状態にかかわらず一定の発現が認められたものの, タンパク質レベルでは増殖細胞の培養上清のみに可溶性Tie-2と思われるバンドが検出されることがわかった. Klf-4およびTie-2の機能についてはH21年度に詳細を調査する. また, 特定の遺伝子産物の機能を調査するためにジーンサイレンシング法が有効と考え, C2C12細胞に対するsiRNAトランスフェクションの最適化を試みた.特に, 休眠状態の維持に関わる分子の機能を明らかにするために, 休眠状態の細胞に対するジーンサイレンシング法の確立が必須と考えた, そして, トランスフェクションの直前に適切な前処理を行うことで休眠状態の細胞にも効率的なトランスフェクションが可能であること, 実際にGrb2アダプタータンパク質のノックダウンが可能であることを証明した, この方法を利用することにより, 骨格筋幹細胞の休眠状態の維持および活性化を制御する分子機構の解明が大きく進展すると期待している.
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