2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病脳におけるアミロイド構成蛋白質CLACに関する研究
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19790050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 唯史 The University of Tokyo, 大学院・薬学研究科, 助教 (30334337)
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Keywords | アルツハイマー病 / 老人斑 / Aβ / CLAC-P |
Research Abstract |
本研究において6,9,12,15ケ月齢のCLAC/APP doubleトランスジェニックマウスを用いて生化学的に・免疫組織化学的に解析することにより、1.CLAC-Pの過剰発現はAPPの代謝、プロセッシングに影響を与えないこと、2.不溶なAβ1-40,Aβ1-42量に変化はないこと、3.びまん性のアミロイド蓄積が消失することからアミロイド蓄積面積が減少すること、4.βシート構造を認識する蛍光色素thioflavin Sに陽性のアミロイド斑が増加すること、5.ユビキチン、APP陽性のアミロイド斑が増加することを見出した。この結果は、CLACが凝集したAβと結合し、Aβの蓄積過程を促進することを示唆する結果である。 また本研究において、マウスCLAC-Pのexon 3を欠損することによるCLAC-Pノックアウトマウスの作出に成功した。CLAC-Pを両方のアレル欠損したホモノックアウトマウスでは出生時において、1.チアノーゼ様である、2.脊柱が湾曲している、という表現系を伴い出生時致死性を示した。このような表現系はヘテロノックアウトマウスでは観察されなかった。さらに、CLAC-Pホモノックアウトマウスの胎児を用いて検討したところ、3.肋間筋、横隔筋などの骨格筋細胞が中心核様を示し未発達であった。これらの知見から、CLAC-Pホモノックアウトでは呼吸に必要な筋肉が動かせず出生時に死亡したと考えられ、CLAC-Pは骨格筋の発達に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)