2007 Fiscal Year Annual Research Report
ネガティブシグナルを誘導する抗アレルギー性IgEの開発
Project/Area Number |
19790084
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
中村 亮介 National Institute of Health Sciences, 代謝生化学部, 主任研究官 (50333357)
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Keywords | 免疫化学 / 抗アレルギー薬 / IgE / マスト細胞 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究では、マスト細胞が発現する抑制性受容体の一つである低親和性IgG受容体(FcγRIIB)と活性化受容体である高親和性IgE受容体(FcεRI)とを同時に架橋(共架橋)する新規IgE抗体を作製し、生体にもともと備わっているネガティブシグナルを誘導することでアレルギー反応を抑制することを目的としている。このようなまったく新しい機能を持つIgEを創出するため、マウスの低親和性IgG受容体に対するラットのIgG2b抗体産生ハイブリドーマ(HB-197クローン)をATCCより購入し、そのtotal RNAをTRIzol試薬により抽出した。また、マウスのTNP基特異的IgE産生ハイブリドーマ(HB-142クローン)からも同様にtotal RNAを抽出した。前者は5'-RACE法により、後者はRT-PCR法によりそれぞれ抗体可変部領域(重鎖及びκ軽鎖)遺伝子またはIgE(重鎖及びκ軽鎖)定常部遺伝子を増幅し、それぞれ遺伝子配列を解析した。可変部に関しては、成熟タンパク質としての抗体重鎖およびκ軽鎖のN'末端アミノ酸配列をそれぞれ10残基ずつ解読し、遺伝子配列に誤りのないことを確認した。これらの可変部及び定常部領域cDNAを、spliceover-lapping extention法によって結合させ、キメラIgE抗体遺伝子を作出した。現在、同遺伝子を哺乳動物発現ベクターに組み換え、CHO細胞等の培養細胞に抗体タンパク質を発現させる系の開発に取り組んでいる。
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