2007 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞のDelta Jaggedの制御を応用した炎症性腸疾患に対する治療開発
Project/Area Number |
19790483
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇座 徳光 Kyoto University, 医学研究科, COE研究員 (30447958)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 樹状細胞 / Notchシグナル |
Research Abstract |
【目的】自然腸炎発症モデルマウスを用いた腸内細菌抗原に対する樹状細胞のDelta Jaggedの発現制御機構の解明 【研究成果】自然腸炎発症モデルであるIL-10ノックアウトマウス(クローン病類似モデル)およびTCRα受容体ノックアウトマウス(潰瘍性大腸炎類似モデル)を用いて、腸管内から樹状細胞を採取し、bacterial lysateを1から100μg/mlの濃度で刺激を行った。その結果、IL-10ノックアウトマウスおよびTCRα受容体ノックアウトマウスから抽出したいずれの樹状細胞においてもJagged-1の発現が増強していた。また、IL-10ノックアウトマウスでは野生型マウスに比して、腸間膜リンパ節における制御性T細胞占める割合は有意に高いことが証明された。このことから、IL-10ノックアウトマウスでは制御性T細胞は十分に誘導されているものの、IL-10産生が認められないために腸炎が発症するものと推測された。TCRα受容体ノックアウトマウスにおいても、制御性T細胞占める割合は有意に高く、しかしながら、IL-10の産生は十分にみとめられ、このマウスにおける腸炎発症機序は制御性T細胞以外の粘膜防御機構にあることが推測された。さらにマウスから単離した樹状細胞にJagged-1発現プラスミドをtransfectionさせ、粘膜内リンパ球CD4陽性細胞した結果、培養上清中のサイトカインではTh2サイトカインである、IL-4, IL-5およびIL-10産生が有意に増強されることを確認した。現在Delta発現プラスミドをtransfectionさせることにより、サイトカイン産生に与える影響を検討している。
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