2008 Fiscal Year Annual Research Report
SSRIにより活性化されるAKTによりリン酸化される転写因子の同定とクローニング
Project/Area Number |
19790841
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
御園生 篤志 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 助教 (20410128)
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Keywords | AKT / フルボキサミン / リン酸化 / BDNF / SSRI |
Research Abstract |
AKTはプロテインキナーゼBとも呼ばれており、セリンースレオニンリン酸化酵素であり、細胞内情報伝達において重要な役割をしている。AKTがリン酸化され情報を伝達し、可塑性に関与し、アポトーシスを抑制する。申請者らはフルボキサミンなどのSSRIやSNRIを3週間ラットに投与後、大脳皮質二次自律感覚領域でAKTが活性化されSer473, Thr308のリン酸化が亢進しリン酸化されたAKTは細胞質内より核内に移行していることを報告した。AKTはbHLH転写因子を活性化しノルアドレナリンの分泌を調節していることが報告されている。抗うつ薬作用が2週間以上かかることの仮説として、抗うつ薬がリン酸化を介してAKTを活性化し、転写を調節しRNAの合成を制御し、さらにRNAがDNAに作用するカスケードを介することで蛋白質の発現を最終的に調節している可能性が考えられる。そこで本研究では抗うつ薬によるAKTのリン酸化の機構をより詳細に生体内で検討することを目的とした。 PC12細胞にフルボキサミン投与後、AKT-Ser473, Thr308のリン酸化が亢進していた。またBDNFをPC12細胞に投与後、同様にAKTのリン酸化が起こり、PI-3 kinazeの活性化を抑制するLY294002にて、BDNFによるAKTのリン酸化が抑制された。また同様にLY294002にて、フルボキサミンによるAKTのリン酸化が抑制されたことから、フルボキサミンによるAKTのリン酸化はBDNFを介して起っていると考えられた。
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