2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福士 純一 Kyushu University, 大学病院, 助教 (40444806)
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Keywords | MMP2 / 骨破壊 / 骨溶解症 |
Research Abstract |
ヒトMMP2遺伝子変異による骨溶解症(Winchester症候群)の表現系が、MT1-MMP遺伝子欠損マウスの表現形ときわめて類似することは、変異型MMP2がMT1-MMPの機能を抑制する可能性を示唆する。本研究の平成21年度の計画として、変異型MMP2とMT1-MMPとの相互作用の解析を行い、変異型MMP2のトランスジェニックマウスを作成した。 変異型MMP2とMT1-MMPとの相互作用として、MT1-MMPが細胞膜上に発現したRANKLを切断する効果に注目し、検討をおこなった。HisタグをつけたRANKLの発現ベクターを作成し、HEK293細胞上にMT1-MMPとともに強制発現させることで、培養上清中に可溶型RANKLが放出される実験系を構築した。しかしながら、変異型MMP2の存在下に可溶型RANKLの放出量の変化はなく、MT1-MMPによるRANKLのsheddingへの阻害効果は認めなかった。 またN末端Flagタグ付き変異型MMP2のトランスジェニック(Tg)マウスの作成を行い、2匹のTgマウスを得たため、表現形の解析をすべく繁殖を行った。しかしながら、今回作成したTgマウスは繁殖能力がなく、系統を維持することが困難であったため、精子の凍結保存を行った。 今後、conditional Tgが可能なベクターを用いてTgマウスを作成し、Col1-CreあるいはCol2-Creマウスと交配されることで、骨あるいは関節軟骨に特異的に変異型MMP2が過剰発現する動物実験モデルを構築し、骨破壊機序の解明を行う予定である。
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