2007 Fiscal Year Annual Research Report
血清前立腺特異マーカーproPSAの癌予測因子としての有用性と癌の特性との関係
Project/Area Number |
19791099
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 巧 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00344929)
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Keywords | 前立腺癌 / proPSA / 癌予測因子 |
Research Abstract |
群馬大学付属病院泌尿器科でPSA・直腸診・経直腸的前立腺エコーのいずれかにて前立腺癌が疑われ、PSA20.1ng/ml未満で前立腺針生検を行った308例にたいし、生検前の保存血清(群馬大学医学部臨床研究倫理審査委員会の承認を得、採血の同意の得られた症例に対し、血清を-80℃にて保存)を用いて血清中のpro PSAを測定した。前立腺針生検法は全例見逃し癌の少ない多数カ所生検(年齢、前立腺重量により8カ所〜20カ所+αの前立腺針生検を行う)を行い、癌・非癌症例をより正確に把握した。Pro PSAの測定は精度の高い測定法を確立しているベックマン・コールター株式会社のラボラトリーにて行った。さらに既知の前立腺癌腫瘍マーカーであるfreePSAも同時に測定し、前立腺癌症例・非癌症例についてproPSAおよびtotal PSA、free PSA、PSAD(total PSA/前立腺体積)を組み合わせたPSA関連マーカーの前立腺癌診断における有用性を明らかにするため、ROCカーブによる癌特異性、感度の評価を行った。 その結果、%pro PSA(pro PSA/free PSA)のROCカーブ下面積は、%free PSA(free PSA/total PSA)およびPSAD、total PSAのいずれのROCカーブ下面積よりも大きくなり、pro PSAの測定は前立腺癌と良性前立腺疾患との鑑別向上に寄与する、つまり、不要な前立腺針生検を回避することができる可能性が示唆された。今後、PSA0〜4.0、4.1〜10.0、10.1〜20.0ng/mlの各群において、さらにその有効性を詳細に検討する予定である。
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