2008 Fiscal Year Annual Research Report
血清前立腺癌特異マーカーproPSAの癌予測因子としての有用性と癌の特性との関係
Project/Area Number |
19791099
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 巧 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00344929)
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Keywords | 前立腺癌 / proPSA / 癌予測因子 |
Research Abstract |
PSA値が基準値以下の臨床的に前立腺癌を疑わない時期に、proPSAおよびtotalPSA、freePSAを組み合わせたPSA関連マーカーが将来の癌罹患を予見できるか否かを検討した。対象は、群馬県前立腺癌検診受診者のうち、PSA基礎値が4.0ng/ml以下で、その後の検診にてPSAの上昇を契機に癌が診断された72症例(症例群)と、初回受診時の年齢(±1歳)とPSA値(±0.2ng/ml)を各2-3例ずつマッチさせた非癌症例196例(対照群)である。対照群は年較差PSA値(PSAV)が0.2ng/ml/年より低い症例を抽出した。全症例においてPSA基礎値が測定された時点の凍結保存血清を用い測定した。 症例群と対照群の平均年齢は、67.3歳および67.4歳で、PSA基礎値の平均は2.74ng/mlおよび2.73ng/mlであった。症例群の癌発見までの平均期間および対照群の平均観察期間は3.64年および2.95年であった。症例群および対照群の%freePSA(freePSA/totalPSA)の平均値(中央値)は0.1421(0.123)および0.206(0.180)となり、症例群で有意に低かった。また、症例群および対照群の%proPSA(proPSA/freePSA)の平均値(中央値)は32.84(27.19)および20.55(18.04)となり、症例群で有意に高かった。さらに%freePSAおよび%proPSAのROCカーブによる評価を行ったところ、ROCカーブ下面積が0.7285および0.7181となり、ほぼ同等であった。我々は、過去に%freePSAが前立腺癌予見因子として有用であることを報告しているが、今回の検討において%proPSAは、%freePSAとほぼ同等に前立腺癌の予測因子として有用であることが示唆された。
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