2007 Fiscal Year Annual Research Report
ファーロー法による二段階口蓋形成手術法実施症例の長期言語成績について
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19791496
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
寺尾 恵美子 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (40323993)
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Keywords | 唇額口蓋裂児 / 言語成績 / Furlow法 / 二段階口蓋形成手術法 |
Research Abstract |
【方法】新潟大学医歯学総合病院顎顔面外科にて二段階口蓋形成手術法を施行された唇顎口蓋裂児の言語獲得経過についてナゾメータを用いてより客観的に評価することを目的とした。 【対象および方法】対象はFurlow法によるHotz床併用二段階口蓋形成手術法を施行し、早期から定期的に言語管理が可能であった片側唇顎口蓋裂20例。軟口蓋閉鎖手術時期は平均1歳6か月、硬口蓋閉鎖手術時期は平均5歳7か月であった。判定時期は4歳時、5歳時、硬口蓋閉鎖術前、術後、7歳時、8歳時とした。判定方法は米国KAY社製nasometerモデル6400[○!R]にて母音・子音・文章課題のnasalance score平均を20%未満、20〜30%、30%以上の3段階で評価した。構音は日本音声言語医学会作成による構音検査法を用いて評価した。 【結果および考察】nasalance score平均20%未満は4歳時10例50%、8歳時18例90%であり、χ^2検定にて有意差がみられた。nasalance scoreは経年的に軽減し、8歳時には良好な結果が得られた。一方、正常構音の獲得は4歳時3例15.0%、8歳時17例85.0%であり、初期では鼻咽腔閉鎖機能不全に関連する構音障害の出現頻度が高く、以後は口蓋化構音と側音化構音の頻度が高くなった。構音障害の出現は4歳から術後まで高率であった。本法では既に軟口蓋形成術後の経年的な硬口蓋破裂幅の狭小化が報告されており、硬口蓋閉鎖術の施行時期を早めることで、二段階法の利点を保持しつつ幼児期早期からの良好な鼻咽腔閉鎖機能獲得が可能となるのではないかと考える。
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Research Products
(4 results)