2008 Fiscal Year Annual Research Report
ファーロー法による二段階口蓋形成手術法実施症例の長期言語成績について
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19791496
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
寺尾 恵美子 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (40323993)
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Keywords | 軽度鼻咽腔閉鎖機能不全 / 言語 / 長期経過 |
Research Abstract |
新潟大学医歯学総合病院歯科言語治療室を1988年以降に受診し、4歳時の検査が可能であった両側唇顎口蓋裂児、片側唇顎口蓋裂児、口蓋裂児400例を対象に、4歳時に鼻咽腔閉鎖機能軽度不全であった口蓋裂児の長期経過について報告する。【方法】4歳時の鼻咽腔閉鎖機能と構音について評価し、鼻咽腔閉鎖機能が軽度不全であった症例について2008年までの処置を調査した。鼻咽腔閉鎖機能 : 開鼻声および呼気鼻漏出により良好、軽度不全、不全の3段階で総合的に判定した。構音 : 音節、単語、文章、会話により聴覚的および視覚的に判定した。【結果と考察)4歳時の鼻咽腔閉鎖機能は良好237例、軽度不全113例、不全50例であった。構音は正常160例、異常240例で、口蓋化構音が最多であった。軽度不全113例の2008年までの処置としては、終了29例、経過観察29例、訓練中27例、中断28例であった。終了29例のうち12歳以上は9例であり、訓練後症例は12歳1例、経過観察のみは14〜17歳6例で、16歳時終了1例と18歳時終了2例は二次手術施行例であった。中断28例のうち12歳以上は8例であった。経過観察29例のうち12歳以上は18例であり、全て二段階症例であった。17〜19歳3例は二次手術後であった。その他の26例は積極的な言語訓練が必要ないほど鼻咽腔閉鎖機能はほぼ良好であったが鼻雑音を認めたため経過観察を継続した。構音訓練27例のうち12歳以上は1例で、小学校で構音訓練を受けていたが、卒業後も構音障害が残存したために当室で訓練を継続している症例である。当室では、二段階法では8歳時、一段階法では5歳時まで言語管理を行っている。訓練中症例では他施設症例で訓練が長引く傾向であった。幼児期は幼児言語等に通い、就学後は小学校に措置されるケースが多く、訓練の一貫性が低くなりやすいことも一因と考える。矯正治療が始まるとさらに矯正医との連携も必要となるので、他施設症例に対してはできる限り訓練担当者と連携し、さらにきめ細かな対応が必要と再認識した。
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Research Products
(2 results)