2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域における更年期女性のヘルスプロモーションの実践
Project/Area Number |
19791757
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
池田 智子 Tottori University, 医学部, 助教 (50444633)
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Keywords | 更年期女性 / ヘルスプロモーション |
Research Abstract |
本研究の目的は地域の特性や更年期女性のニースに対する健康支援体制の構築に向けてPRECEDE-PROCEEDモデルを活用した健康教育システムを開発実践し、継続評価を行なうことである。 1. 具体的な内容 (1)研究フィールド(鳥取県日野町)において40-59歳女性を対象とした健康教室の開催 (2)健康教室介入評価 2. 意義 地域で開催する健康教室には、対象年齢の約1割が参加していた。健康教室参加者のうち、更年期症状に対する要介入者は約6割であり、軽度うつ、抑うつが疑われる人は約半数を占めていた。骨密度は40代で要精検が12.5%であり、50代では異常なしが53.8%に留まっていた。4ヶ月にわたる健康教室の結果、生活習慣が改善し、更年期症状の要介入者では更年期症状が軽快していた。また運動習慣に関する自己効力感の増加がみられた。健康教室を開催した結果、更年期症状の改善、生活習慣の改善、更年期に対するイメージの変化がみられ、生活習慣病予防に対する介入効果が示唆された。更年期症状は不定愁訴といつ形で現われる特徴があるため, 健康教室に参加し、加齢に伴う心身の変化や女性ホルモンの働きを知り、体調不良の原因がわかり、気持ちが楽になったという意見が聞かれた。 3. 重要性 女性の健康寿命の延伸に向け、卵巣機能低下による骨粗鬆症、動脈硬化性疾患などの生活習慣病を予防医学的立場から捉えた長期健康管理システムの確立が必要である。本研究では更年期女性を対象とした健康教室として、加齢に伴う心身の変化や女性ホルモンの働き、生活習慣病対処万法などの情報提供と同時に不定愁訴として現われる心身の不調を客観的に自分で把握する機会をもったことは自分で自分の体の変化を実感するきっかけ作りとなったと考えられる。そして生活習慣及び更年期症状の程度の改善傾向が示された。更年期の時期における生活習慣の改善は閉経以後のQOLに多大な影響を及ぼすため、今後生活習慣改善が継続できる支援のあり方や地域特性を踏まえた支援方法を検討していく必要があると考える。
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