2007 Fiscal Year Annual Research Report
極大地震動を伴う地震の震源断層での広帯域強震動生成過程の解明
Project/Area Number |
19810008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅野 公之 Kyoto University, 防災研究所, 助教 (80452324)
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Keywords | 自然災害 / 地震 / 極大地震動 / 震源モデル / 強震動生成過程 / 2007年能登半島地震 / 2003年宮城県沖地震 |
Research Abstract |
大地震時に震源域周辺地域でしばしば観測される極めて大きな地震動(極大地震動)の成因を震源断層の不均質な破壊過程の側から解明することを目的とし,既往の地震の震源破壊過程の解析や広帯域震源インバージョン手法の開発改良を実施した.平成19年度は,震源近傍域で広く極大地震動が観測された2003年宮城県沖地震,2007年能登半島地震を主たる研究対象とした. 1.2007年能登半島地震について,強震波形及びGPS変位記録を統合した広い周波数帯のデータセットを用い,線形波形インバージョン法により,詳細な震源破壊過程を推定した.その際,観測点ごとに余震記録の波形モデリングに基づいて適切な1次元速度構造モデルを推定することにより,Green関数の信頼性を高めた.能登半島地震の断層のすべりの大きな領域(アスペリティ)は断層の下端付近に位置する破壊開始点付近から浅い側に向かって広がっている.震源域周辺の地震動は主としてこのアスペリティによって支配されている.このアスペリティを含む断層領域は海底活断層のF14断層に対応している.地表付近のすべりは顕著ではなく,明瞭な地表地震断層や海底断層変位が観察されなかったことと調和的である. 2.本研究で開発している広帯域強震記録を用いる非線形震源インバージョンについて,最大すべり速度やすべり量に比べ,拘束が難しいパラメータである破壊時刻分布を安定的に求める手法について検討を行った.2003年宮城県沖地震の広帯域強震記録に適用し,モデルパラメータの適切な設定方法について検討するとともに,アスペリティ内外の最大すべり速度分布の特徴を調べた. 以上の研究成果について,国内学会や国際会議で発表した.
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Research Products
(4 results)