2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ磁性粒子間スピントランスファー効果に関する研究
Project/Area Number |
19860048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野崎 隆行 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (60452405)
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Keywords | スピントロニクス / ナノ磁性粒子 |
Research Abstract |
伝導電子スピンと局在スピン間の角運動量移行(スピントランスファー)効果は、スピン波励起、歳差運動励起、磁化反転などを励起することが可能であり、特に磁化反転に関しては、従来の電流磁場による磁化反転操作と比較して非常に効率が良く、低電力化が可能であることから、注目を集めている。本研究では、グラニュラー構造(非磁性金属母相中に磁性微粒子が分散した構造)におけるスピン注入効果の電気的直接検出を試み、現在の微細加工技術では作製が困難である数十nm〜数nmオーダーの微小な強磁性セルの領域でのスピントランスファー効果とそのダイナミクスを明らかにする事を目的とした。 平成19年度はCoとCuから構成されるグラニュラー構造の作製を、分子線エピタクシーによる同時蒸着法を適用することによって行った。得られたグラニュラー膜に直接高周波電流を印加し、スピントルクダイオード効果を用いたスピントランスファー効果の検出を試みたが、明瞭な信号を得ることができなかったため、より効果的にスピンを注入するため、Co膜からなるスピン注入層をCuを隔ててグラニュラー層と積層化させた構造を開発した。本構造において、グラニュラー中の微小磁性粒子の共鳴に起因すると考えられるブロードなピークを観察することに成功した。
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