2008 Fiscal Year Annual Research Report
統合国際深海掘削計画(IODP)研究の推進:国際的リーダーシップの確立
Project/Area Number |
19GS0211
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
巽 好幸 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部変動研究センター, プログラムディレクター (40171722)
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Keywords | 統合国際深海掘削計画(IODP) / 地震発生帯 / 海洋島弧 / 大陸地殻形成 / 白亜紀温室期 / 海洋無酸素事変 / 巨大マントルプルーム / モホ面 |
Research Abstract |
「統合国際深海掘削計画(IODP)」の根幹である研究面において、我が国が主導する掘削研究を推進し、4つの研究項目に対して以下の成果を得た: 1.NanTroSEIZE:掘削試料の構造・年代を解析して、過去の巨大地震の記録を見いだすことに成功した。また、孔内検層による歪分布測定の解析結果から、地震分岐断層では圧縮、その陸側では圧縮が卓越していることが明らかになった。平成19年度導入の封圧式弾性波測定装置を用いて、掘削試料の物性測定を開始した。 2.IBM:掘削予定点を横切る超稠密地震波速度構造探査を実施し、掘削ターゲットである中部地殻がこれまでの予想より浅所(海底下約4km)に分布することを確認した。島弧縦断方向でマントル内反射面を解析し、これが地殻形成過程でマントルへ転移した地殻物質の下限に相当することを示した。上部マントルの地震波速度構造の解析により、高温物質が2つの異なる波長でマントルウェッジ内に流入していることを見いだした。 3.LIP/OAE:Pb-Os同位体比分析を用いて、OAE 1aがオントンジャワ海台の活動によって形成された可能性を示した。レーザーアブレーション/マルチコレクター型ICP-MS装置を用いた微小域同位体比分析法の改良を行い、従来よりも1桁精度向上を図った。 4.Mohole:オマーンオフィオライト構成岩石の弾性波速度測定を開始した。IBM前弧域とオマーンオフィオライトの構造を比較し、両者が起源を同じにする可能性を見いだした。このことにより、IBM前弧域が、Mohole第一フェーズの有力候補地となることを明らかにした。
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