2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19GS0314
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 和宏 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (50127114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 謙次 九州大学, 生体防御医学研究所, 特任准教授 (10423039)
細川 暢子 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (00263153)
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Keywords | 品質管理 / フォールディング / レドックス / 小胞体 / 分子シャペロン |
Research Abstract |
なんらかの原因で細胞内にミスフォールドしたタンパク質ができてしまった場合、それを分解処理する必要があるが、本研究においては、細胞の品質管理機構において、1)どのように分解すべき基質のみが認識され、分解処理にまわされているか、および、2)変性あるいは凝集したタンパク質を、どのように分解可能な状態に保持し、かつ効率的に分解装置にアクセスさせるか、という2点に注目して研究を行うことを目的とする。 平成21年度においては、ERdj5の結晶構造解析を行い、大きな分子であり、さらに小胞体内在性の分子であることから、結晶化には困難を極めたが、持続的な努力の結果、比較的短期間のうちにこれに成功した。大腸菌から得た組み換え体ERdj5を精製し、結晶化のための条件検討を行い、最終的に2.5Åの解像度で結晶構造を解くことに成功した。 その結果次のような諸点が明らかになった。1)ERdj5は4つのチオレドキシン様ドメインを持っており、それぞれには活性中心CXXCが存在しているが、1番目と2番目のチオレドキシン様ドメインの間に、2つの新たなチオレドキシン様構造が見つかった。これらには活性を担うCXXCモチーフは存在しなかった。2)6つのチオレドキシン様ドメインはすべて同一の平面上に存在するという極めて特徴的な構造を示した。3)前年度、活性を有することを明らかにした3番目、4番目のCXXCモチーフは、ループを介してC末端クラスター領域に分離して存在することが明らかになった。4)ERdj5と共同して働く因子EDEMとの結合部位も、このC末端クラスターに存在することが明らかになった。5)ERdj5によって還元され、分解される基質タンパク質の結合部位もC末端クラスターに存在することをあきらかにした。
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Research Products
(5 results)