2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19GS0314
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
永田 和宏 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (50127114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 暢子 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (00263153)
寶関 淳 京都大学, 生理化学研究ユニット, 特定准教授 (40423058)
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Keywords | 品質管理 / フォールディング / レドックス / 小胞体 |
Research Abstract |
小胞体内にミスフォールドタンパク質が生じた場合、小胞体からサイトゾルへ逆輸送した後、それをユビキチン・プロテアソーム系によって分解する機構が、それぞれの細胞には備わっている。これを小胞体関連分解(ERAD)と呼ぶ。 申請者たちは、ERADの分子機構を明らかにする上で、極めて重要な二つの因子を発見した。1つはミスフォールドしたタンパク質を糖鎖トリミング依存性に認識し、分解経路へまわす機能をもつEDEMであり、もう1つは分解タンパク質中のジスルフィド結合を還元し、ディスロコンを通りやすくする還元酵素ERdj5である。本年は、ERdj5の結晶解析に成功し、その分子構造を元として、ERAD経路の一連のプロセスを明らかにすることに成功した。 ERdj5は4つのチオレドキシン様ドメインを有するが、そのうち活性のあるチオレドキシンドメインを同定した。興味深いことに、それらが存在するC末端ドメインには、EDEMも結合し、また基質もその部分に結合した。それらキーとなる構造をもとに、ミスフォールドタンパク質は、カルネキシン⇒EDEM⇒ERdj5⇒BiPの順に受け渡され、最終的にディスロコンチャネルを通過して、サイトゾルへと逆輸送されることを示すことができた。さらに小胞体におけるレドックスネットワークの各因子間の協同作用について、カスケードの実体を明らかにした。小胞体においては、酸化酵素ErolaとPDIとがハブ複合体を形成し、これらから他の酸化還元酵素に電子伝達が行われることを明らかにすることができた。これは現在、改訂稿を投稿中である。
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Research Products
(5 results)