2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物体内における細胞集団の分化状態を規定するシグナル分子の機能探索
Project/Area Number |
19GS0315
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
岡田 清孝 National Institute for Basic Biology, 所長 (50101093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 進一郎 東京大学, 理学系研究科, 准教授 (00315748)
松林 嘉克 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00313974)
槻木 竜二 京都大学, 理学研究科, 助教 (50303805)
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Keywords | 細胞間シグナル / 器官形成 / シロイヌナズナ / ペプチド / マイクロRNA / カリフラワー |
Research Abstract |
側生器官の背軸側の細胞分化を担っているFIL遺伝子の発現領域が拡大または減少するenlarged filexpression domainl(enfl)突然変異体を解析した。ENFl遺伝子はミトコンドリアで働く代謝酵素をコードし、enflではENFl経路上の代謝産物の量が変化していることを明らかにした。このことからENFl代謝経路が向軸側・背軸側の形成に関わることが示唆された。 CLV3ペプチドは、茎頂分裂組織において未分化細胞の数を制御するリガンドであると考えられているが、内在性のものが単離された例はない。既に確立しているペプチド精製法とバイオアッセイ系を組み合わせて、カリフラワーからCLV3ペプチド(BobCLV3)を単離した。構造解析の結果、BobCLV3は12aaのCLEモチーフで構成されていたが、3つのプロリンはいずれも水酸化されていなかった。この結果は種間や器官間でプロリンの水酸化にバリエーションがある可能性を示唆している。 一方、澤は、CLV3ペプチドの耐性突然変異体をスクリーニングし、沢山のclv3 peptide insensitive (cli)突然変異体を得た。その中で、CLI1はポジショナルクローニングの結果、LRR-RLK遺伝子をコードすることを明らかにした。また、やはり、CLV3ペプチドに耐性を示すsol2突然変異体のポジショナルクローニングの結果、受容体キナーゼをコードすることを明らかにした。 さらに、松林はシロイヌナズナ細胞培養液中に新しい18アミノ酸硫酸化ペプチドPSY1を同定した。PSY1は細胞増殖および細胞肥大を制御することが明らかとなった。また、CLV3ペプチドがCLV1細胞外領域に結合定数17.5nMで直接結合することを見出した。この結果は,CLV3とCLV1がリガンドー受容体ペアとして機能していることを示す決定的な証拠である。
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Research Products
(11 results)