2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物体内における細胞集団の分化状態を規定するシグナル分子の機能探索
Project/Area Number |
19GS0315
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
岡田 清孝 National Institute for Basic Biology, 所長 (50101093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 進一郎 東京大学, 理学系研究科, 准教授 (00315748)
松林 嘉克 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00313974)
槻木 竜二 京都大学, 理学研究科, 助教 (50303805)
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Keywords | 細胞間シグナル伝達 / 器官形成 / シロイヌナズナ / 低分子ペプチド / レーザーアブレーション / 分裂組織 |
Research Abstract |
頂端分裂組織での細胞間シグナル伝達機構の解明に向けて、微小レーザーアブレーション系の確立を目指し、UVパルスレーザーを搭載した共焦点レーザー顕微鏡を開発した。この顕微鏡を使いマーカー遺伝子を利用して、シロイヌナズナ頂端分裂組織を破砕に成功し、今後、その影響を観察していく。 また、そのシグナル伝達に関わる新奇低分子ペプチドの単離を目指し、以下の2点を明らかにした。1)シロイヌナズナapl cal二重突然変異体の花蕾の細胞間隙に存在するタンパク質のショットガン解析から、26個の発生・分化に関わるシグナルペプチド候補を得た。2)シロイヌナズナゲノムデータベースを用いたin silico解析から、15アミノ酸ペプチドとして分泌され、低濃度で根端メリステム活性を低下させるCEP1を単離した。 さらにシグナルペプチドの生合成・分泌系を明らかにする目的で、シロイヌナズナ培養細胞由来ミクロソーム画分より、PSKやPSY1などのペプチドホルモンの生産に重要な翻訳後修飾酵素であるチロシン硫酸化酵素の精製・同定に成功した。 分化状態の規定に関わる既知の因子群が関与する制御機構の解析も行った。まず、CLV3ペプチドの下流で茎頂分裂組織の維持に異常を示すsol2突然変異体の原因遺伝子を特定し、受容体型キナーゼをコードすることを明らかにした。このSOL2がCLV2受容体とヘテロ二量体を形成することも生化学的に明らかにしている。さらに、NOV遺伝子が胚、葉、根に共通な制御系を構成し、オーキシンによる協調的な極性的分化とパターニングに必要であることが明らかになった。また、PRS遺伝子とそのホモログWOX1遺伝子が余剰的に側生器官の形成に重複した機能を持つこと、細胞増殖を促進することで側生器官の横方向への成長に関与していることが明らかになった。
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Research Products
(53 results)