2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物体内における細胞集団の分化状態を規定するシグナル分子の機能探索
Project/Area Number |
19GS0315
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
岡田 清孝 基礎生物学研究所, 所長 (50101093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 進一郎 東京大学, 理学研究科, 准教授 (00315748)
松林 嘉克 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00313974)
槻木 竜二 京都大学, 理学研究科, 助教 (50303805)
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Keywords | シロイヌナズナ / 茎頂分裂組織 / 細胞間シグナル物質 / シグナルペプチド / コハク酸セミアルデヒド / チロシン硫酸化酵素 / 三量体Gタンパク質 / clv突然変異体 |
Research Abstract |
岡田グループは、食用カリフラワーの花蕾表面のアポプラストから抽出・精製したペプチド画分を植物体に投与し、葉や茎頂分裂組織の形態異常を及ぼす活性を分離して、LC-MS/MSおよびプロテインシーケンサーで構造を同定した。他方で、葉の表裏軸の極性が不安定になる突然変異体enf1の解析から、コハク酸セミアルデヒド(SSA)が葉の向背軸形成に関わる可能性を示した。また、槻木グループと共同して、葉の成長と周縁部の分化に冗長的に機能するWOXファミリー遺伝子(PRS/WOX3)の役割を詳細に解析し、葉原基が成長する過程で表/中間/裏側の3領域の形成が必要であるとする新しいモデルを提案した。 澤グループは、茎頂分裂組織の構築に関わる細胞間シグナリング機構を解析するために、clv2突然変異のエンハンサー突然変異体を多数単離し、次世代シーケンサーを利用して十数個の原因遺伝子を特定した。 第一のグループは三量体Gタンパク質のβサブユニットの遺伝子であった。さらに、αおよびγサブユニットの遺伝子破壊株もCLEペプチド耐性を示したことから、CLV3シグナルの受容と細胞内への情報伝達の過程に三量体Gタンパク質が関わっていることを確認した。 松林グループは、ペプチドホルモンの翻訳後修飾のひとつであるチロシン硫酸化酵素(TPST)遺伝子を破壊したシロイヌナズナ植物体(tpst-1)で根端の幹細胞が維持されず、根が極端に短くなる表現型から新規硫酸化ペプチドホルモンの存在を強く示唆する結果を得た。そこでin silico遺伝子スクリーニングとLC-MSを用いた成熟型ペプチド構造解析によって,根端メリステム幹細胞ニッチの維持およびメリステム活性の制御に関与する新規硫酸化ペプチド群(root meristem growth factors:RGFs)を見出した。
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Research Products
(37 results)