2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体情報伝達連鎖機構の単分子力学解析と計算機モデリング
Project/Area Number |
19GS0418
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
猪飼 篤 Tokyo Institute of Technology, イノベーション研究推進体, 特任教授 (50011713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 喜久雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30111652)
長田 俊哉 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (00201997)
大谷 弘之 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (80203826)
REHANA Afrin 東京工業大学, バイオフロンティアセンター, 特任准教授 (70447556)
関口 博史 東京工業大学, 大学院・理生命工学研究科, 助教 (00401563)
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Keywords | 生体情報伝達 / 膜タンパク質 / 細胞骨格 / リンカータンパク質 / ナノ力学 / アクチン繊維 / 原子間力顕微鏡(AFM) / 力学的分光法 |
Research Abstract |
1.ヒト赤血球の脂質膜をリン脂質分解酵素および界面活性剤を用いて除去した後の細胞骨格について、その構造上異なる部位と特異的親和力のあるリガンドを原子間力顕微鏡(AFM)探針に固定したうえで力学的測定を行った。その結果、スペクトリンとアクチンからなる細胞骨格の局所的力学特性を明らかにすることができた。この結果を、ネットワークモデルによって説明する計算機シミュレーションを行った。 2.固体培地での繊維芽細胞の培養中に、その細胞表面にフィブロネクチンで被覆したガラスビーズを載せ、その後、細胞膜を通してガラスビーズの周囲に集まるアクチン繊維による細胞表面の固化とガラスビーズの細胞表面への接着力の増大を接着時間の関数として測定した。ガラスビーズ周囲に集まるアクチン繊維が細胞内にすでに存在する細胞骨格といつ結合するのか、あるいはしないのかを現在追求している。 3.細胞内のアクチン繊維の強度を、AFMの探針により繊維を引張って切る際の破断力測定から見積もった。この実験はアクチン繊維を横方向に引張った場合と縦方向に引張った場合について行い、両者の測定値の違いを細胞内構造との関係から検討した。 4.細胞骨格を形成するスペクトリン、アクチン、ビンキュリン等、多くのタンパク質がαヘリックス構造をとっているので、これらのタンパク質の変形力学を基盤とする本研究ではαヘリックス構造の力学物性が重要である。このことから、人工のαヘリックス構造を持つポリペプチドについての延伸力学を解析し、エネルギー散逸過程を検討した。 5.アクチンとビンキュリンの相互作用をフォース・スペクトロスコピーとして測定した。
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Research Products
(19 results)