2019 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの伝統医学における医療・医学の倫理と行動規範、及びその思想史的研究
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19H00515
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横手 裕 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10240201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦山 きか 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (50823407)
内山 直樹 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (20449284)
松岡 尚則 公益財団法人 研医会, その他部局等, 研究員(移行) (90403881)
VIGOUROUX MATHIAS 二松學舍大學, 文学部, 講師 (50803326)
鈴木 達彦 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (70737824)
本村 昌文 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (80322973) [Withdrawn]
入口 敦志 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (80243872)
並木 隆雄 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (20312001)
長谷部 英一 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (00251380)
井ノ口 哲也 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30376842)
森口 眞衣 日本医療大学, 保健医療学部, 教授 (80528240)
菊谷 竜太 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (50526671)
西村 直子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90372284)
西田 文信 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (40364905)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医学倫理 / 東洋医学 / 中国医学 / 日本医学 / インド医学 / アジア医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の構成員は、地域ごとに日本班、中国班(台湾、韓国、ベトナムも含む)インド・チベット・ブータン班に分かれ、研究対象ごとにそれぞれの内部で医事文献組、思想文献組およびフィールド組に分かれる。 2019年度は、まず最初の4ヶ月の間に1年間及び3年間の活動計画・研究目的などを構成員にメーリングリストで連絡し、総員の基本的なコンセンサスを得るべく議論を行った。さらに、各地域を担当する班ごとに、研究の進め方について打合せと情報交換を行い、各班および各組における研究計画を定めた。また、各班のフィールド組は、視察する機関や海外協力者との連絡と打ち合わせを行った。 それを踏まえて、第1回全体会合を8月2日に開催した。このとき、各班が足並みをそろえた研究や作業を行えるように研究計画の調整を試み、当該時点までに進めてある研究内容についての報告会と勉強会も行った。 8月以降は各班の各構成員がそれぞれの課題と目標に基づいて作業を進めた。文献組は、必要な資料の収集に努め、適宜同一ユニットの人々と情報や意見を交換しつつ、重要文献の解読作用等を進めた。フィールド組の人は、夏から冬の休みの期間などを使って、各自の担当フィールドに可能な限り赴き、情報収集や資料収集などの活動を行った。 年末の2019年12月29日には再び全体集会を行い、海外協力者の招聘と講演、および構成員による研究報告会等を実施しつつ、今年度の進行程度や成果を確認し、それを基に来年度の計画の打合せを行った。 なお、コアメンバーの横手、浦山、内山はこれらの過程を通じて常に各構成員(研究分担者、研究協力者、海外協力者)の間に立って連絡を行いつつ、情報の共有や各班・各組における作業の進度あるいは方向等の調整にあたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は当初の予定から大きな変更はなく、おおむね順調に研究活動を進めることができたと言える。 夏休み中の8月には予定通り第1回の全体集会を開催することがかない、日本班およびインド・チベット・ブータン班の研究分担者を中心に意欲的な発表と活発な議論が行われた。春から夏にかけてこの全体集会以外にも多くの関係者が共同で参加した学会などもあり、本プロジェクト内で一定の一体感が醸成され、その後の活動も順調進めることができた。 夏から冬にかけても文献班・フィールド班ともどもスムーズに調査研究を進めることができた。中でも研究協力者の形井秀一氏により、日本においてこれまで研究が手薄であった韓国およびベトナムの伝統医学に関する調査を実現出来たことは、極めて重要な成果であった。 第2回の全体集会は可能であれば開催したいと考えていたが、諸メンバーの積極的な支持もあって、海外協力者のサイジラホ(財吉拉胡)氏を招聘しつつ開催することができたのも、大きな成果であった。 総じて順調な一年間であったが、強いて言えば、中国班の調査研究発表がやや立ち後れているようにも思われるので、今年度以降はこの方面に力を入れていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は新型コロナウイルスの問題があり、従来通りの調査研究活動が行えない面が非常に多く出てくると予想される。とりわけ、海外はもとより国内についてもフィールドワークには多大な困難が予想される。したがって、医学および思想関係の文献研究を重点的に推進したいと考えている。特に本研究プロジェクトは中国および日本の医学思想や儒教・仏教思想を専門とする研究分担者・研究協力者に数多く参加していただいているので、この方々による発表と議論を中心に進めたい。2019年度のようにまず夏に全体集会を開催する予定であるが、対面による会合が難しいようであれば、オンライン会議などの形を考えてみたい。可能であれば、海外協力者のオンライン会議参加や講演なども行ってみたい。 いずれにしても、新型コロナウイルスの状況は流動的な面があるので、日本および各国の実情を適切に踏まえつつ、各構成員の安全を十分に考慮しながら状況に応じて最善の策を考えて対処してゆきたい。
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